2015年5月21日

6/21 第9回日本カンボジア研究会、発表要旨6

大坪加奈子(九州大学大学院人間環境学府)
「カンボジアの政教関係と寺院の社会活動」

大多数の人びとが上座仏教を信仰するカンボジアにおいて、寺院や僧侶は地域社会でさまざまな活動を行ってきたが、1990年代から「社会参加仏教」や「オルタナティブな開発」といった新たな意味付与がなされてきた。活動に従事する僧侶は「開発僧」と称され、タイの事例を参照してカンボジアの事例研究が進められてきた。しかし寺院の社会活動は実に多様であり、援助機関の影響を色濃く受けた国家制度の下で、政府高官、僧侶、地域住民といったそれぞれの関係性が活動にバリエーションを与えているのが内実である。そこでは関与する人びとの思惑はそれぞれ異なるものの、活動の目的が達成されていくという錯綜した状況が見て取れる。そこで本発表では、2012年8月~2013年12月、2014年12月~2015年3月に行った臨地調査で得られた資料をもとに、国家制度の中で行為者がどのように寺院の社会活動に関与し、ズレや矛盾を生成させながらも活動が実施されていくのかを明らかする。

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